秋の風景「野焼き 

 

 稲が刈り取られ、一面の野原のようになった田んぼで、冬を迎える前に野焼きが行なわれる地域がある。籾殻などを焼くもので、秋の風物詩というよりも晩秋の匂いといったほうがいいかもしれない。ゆっくりと立ち上る煙は白いことが多く、秋の空に映える。農作業が一段落し、ほっとしたことを表わしているような、のどかな光景だ。地域によっては春に野焼きを行なうところもある。ただし、最近では、環境への影響や火事を防止するために、野焼き防止条例などが制定され、禁止されている地域もある。風情や情緒よりも、環境や防災が重んじられるご時世ということになるだろうか。