秋の風景「味覚の秋」 

 

 収穫の秋になるとお店の店頭にも秋の味覚が並ぶ。秋の言葉の「あき」には「飽きるほど食べ物がある時期」から来ているという説もあるほどで、まさに味覚の秋とも言える。代表的な味覚のひとつが柿。奈良時代に渡来し、渋柿は干し柿として食べるが、柿の渋は防腐剤や染料に用いられる。また、春の山菜と並んで秋のキノコは古くからの自然の食材。日本書紀にはクリタケ狩りが出てくるが、平安時代以後には、マツタケがキノコ狩りの対象になったという。今では生産地としては長野県、京都府などが有名で、主にアカマツの林に生え、これの季節が成熟する時期。他にクリ、ブドウ、リンゴ、新米などは食欲だけでも十分に満喫できる季節と言える。