夏図鑑「入道雲」

3294532.jpg晴れわたった真っ青な空に、突如として姿を現わす入道雲は夏の雲の代表的存在。そもそも「入道」とは仏門に入った人のことをいうが、入道雲の場合は、「坊主頭をした妖怪・入道」が語源。たしかに、現れたとたんに、もくもくと巨大化するようすは、まさに妖怪変化。気象学的にいえば「積乱雲」で、雲底の高度は2000メートル、雲頂の高度は1万メートルにも達する。ちなみに、日本で見える飛行機雲の高度は5000メートルから1万3000メートルで、入道雲の偉容がわかろうというもの。俳句の季語では「雲の峰」と称されるが、いわれてみれば空にそそり立つ山のような存在。それに由来してか、入道雲は「山」と同じように「一座、二座」と数えられる。