夏図鑑「金魚」

GX163_72A.jpg中国原産の金魚が日本に伝来したのは室町時代のこと。当初は、貴族たちの愛玩動物のひとつとして飼育されていた。養殖がさかんになったのは江戸時代で、江戸中期には庶民にまで、金魚の人気が広まり、幕末には金魚の飼育ブームが起こっている。夏になると、「きんぎょ~、え~、きんぎょ~~」という売り声とともに、天秤棒で金魚桶を担いだ金魚売りが江戸の町を歩いた。生物学的には、「金魚はフナの突然変異によって生まれた淡水魚」とされている。だが、その出自はどうであろうと、鑑賞用として、いまも昔も、多くの人々にかわいがられていることにかわりはない。現在、日本各地で養殖されているが、愛知県弥富市、奈良県大和郡山市、東京都江戸川下流域が金魚の三大養殖地として有名。