夏図鑑「天の川」

24c7afb6bf0cd7a7fd8bdc90c0040c97_m.jpg「銀河」と呼ばれることもある天の川は、じつは日本から一年中、見ることができる。ただし、天の川の中心方向が夏の星座のいて座にあるため、夏こそ天の川が見やすくなる。だが、かつては日本各地で見えた天の川も、文明の発展とともに「光害」の影響を受けるようになってしまった。それでも、大都市から離れた地域や標高の高い地域では夜空に浮かぶ光の帯を楽しむことができる。天文学が進み、「天の川の正体は膨大な数の恒星の集団である」ということがわかっても、その神秘的な光が魅力を失うことはない。英語では「ミルキー・ウェイ」と呼ばれるのは、ギリシャ神話で神ゼウスの妻の母乳が飛び散り、天に広がって「天の川」が作られたという神話から来ている。また、英語で銀河の galaxy(ギャラクシー)」という単語は、ギリシャ語で「ミルキー」を意味するgalaxiasが語源となっている。ちなみに「天の川」も「銀河」も、かつて日本の鉄道の夜行急行列車の愛称として使われていた。「天の川」は上野~秋田間を、「銀河」は東京~大阪間を、それぞれ結んでいた。