夏図鑑「灯ろう」

cc370b9ad943c887791bcd183f5e926e_m.jpg「燈籠」「燈篭」といった漢字が使われることもある灯ろうは、飛鳥時代に、仏教とともに日本に伝来した。仏像に清浄な灯りを献じるためのもので、多くの寺院では仏堂などの前面に配置され、「献灯」と呼ばれた。その後、日本庭園が文化として発達するようになると、鑑賞を目的として庭園内に設えられることも多くなった。もともとは僧房、つまり、僧侶の住む建物の灯りとして使われていたものが、荘厳な仏具となったものだ。盂蘭盆会では盆灯ろうとして掲げられるのが一般的。風習というものは、地方によって異なるものだが、広島県西部(安芸地方)には、お盆の時期に、灯ろう型の飾りをお墓に供えるという特徴的な盆灯ろうの風習がある。