夏図鑑「あゆ」

19dea95c1e622c971e40e7e87eacc34e_m.jpgヒレと尾に化粧塩がほどこされ、見た目も美しいた鮎の塩焼きを食べると、「あぁ、夏だなぁ」と思う人も少なくないだろう。あゆは、石についた藻類を食べるという習性があり、日本各地の河川に生息している。あゆは、漢字で「魚」へんに「占」と書くが、「神功皇后が、あゆを釣って戦いの勝敗を占った」とする説や、「あゆが一定の縄張りを独占することに由来する」など、諸説がある。ちなみに、中国では漢字で「鮎」と書けば「なまず(鯰)」のことだ。「鮎」以外にも、「香魚」「年魚」「銀口魚」「渓鰮」「細鱗魚」など、あゆは多様な漢字で表記される。このうち、「香魚」は、あゆのもつ独特な香りを表わした文字だが、その香りはエサとなる藻類に由来すると考えられている。「年魚」は、あゆの一生が1年であることを表わしたものだ。ちなみに、群馬県と岐阜県は、「あゆ」が「県の魚」になっている。