アメリカ人技師が製作した100年以上の橋

 くまがわ
球磨川第一橋梁(熊本県・八代市)
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熊本県の八代駅と鹿児島県の隼人駅とを結ぶ肥薩線は、風光明媚な鉄道路線として知られている。日本三大急流のひとつに数えられる球磨川と寄り添うようにして走る肥薩線は、八代から隼人までのあいだに球磨川を4回も横断する。そのうち、鎌瀬駅を過ぎてすぐに渡るのが、全長205.25mという球磨川第一橋梁だ。明治41年(1908年)に架設されてから100年以上の時を球磨川とともに過ごしている。トラス節点には架設された当時のピン結合がそのまま残っていて、現在ではきわめて珍しい存在。アメリカ人技師クーパーとシュナイダーが設計し、アメリカン・ブリッジ社が製作した橋で、いま、なお、トラス部に「1906 AMERICAN BRIDGE Co. NEWYORK U.S.A」の刻印が残る。川に対しても斜角がついていて、斜めに川を渡るかっこうになっているが、これは、球磨川の


流れに逆らわないためだ。橋脚は、橋台部が煉瓦、橋脚部は切石積みによって造られている。球磨川第一橋梁は、2007年に経済産業省が選定した全国の近代化産業遺産群33のうちのひとつである「九州南部における産業創出とこれを支えた電源開発・物資輸送の歩みを物語る近代化産業遺産群」(南九州近代化産業遺産群)に、物資輸送関連遺産として肥薩線関係の13件のひとつに数えられている。


見頃時期:通年

住所:熊本県八代市坂本町鎌瀬

HP:土木遺産 in 九州

TEL: 0965-33-4115(八代市観光振興課)

料金:無料

営業時間:随時

アクセス:JR肥薩線鎌瀬駅下車、徒歩3分

車:九州道八代ICより車で約50分

駐車場:無し