春図鑑「ふきのとう

天ぷらにすると美味しいふきのとうは、フキのつぼみで、漢字で書くと「蕗の薹」。天ぷらのほか、煮物にしたり、味噌汁に入れるなどして「春の味」を楽しむことができる。お酒好きな人からすれば、「ただ焼いて練り味噌をつけるだけで充分」という声が聞こえてきそうだ。フキはまた、その葉柄も醤油と砂糖で佃煮にして、「伽羅蕗(きゃらぶき)」となる。けっこう濃い味だが、お酒は進む。植物には大陸から渡来したものが多いが、フキの原産地は日本といわれている。つまり、「純国産品」だ。さて、「ふきのとう」といえば、昭和世代からすると「二人組のフォーク・デュオ」を思い浮かべる人も多いだろう。1972年に、当時、北海学園大学の学生だった山木康世と細坪基佳が、NHK札幌放送局のテレビ番組に出演したときに名のったのが「ふきのとう」。1973年には、ヤマハ・ポピュラーソング・コンテスト、いわゆる「ポプコン」に「夕暮れの街」をひっさげて出場し、北海道大会で入賞している。その翌年の1974年に「白い冬」でデビューし、「風来坊」「春雷」「やさしさとして想い出として」などの曲をヒットさせた。1970年代といえば、フォーク全盛の時代だったことを懐かしく思い出す人もいるだろう。ちなみに、フォーク界の「ふきのとう」は1992年に惜しまれつつ解散している。
 
 

 

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