日本の原風景がそのまま車窓に登場

秋田内陸線(秋田県・北秋田市~仙北市)
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桜の名所で知られる角館駅からマタギの里の阿仁合駅を抜け、世界一の大太鼓の里に ある鷹巣駅までを結ぶ、秋田県の内陸部を南北に縦貫するローカル鉄道が、秋田内陸縦貫鉄道。見渡すかぎりの田園のなかを走っていたかと思えば、渓谷沿いに敷かれた線路を走ることもあるといったように山の中の秘境を行く雰囲気も味わえて、のどかな日本の原風景を体感できる路線だ。車窓の絶景は、阿仁合駅と阿仁前田駅の区間で十二段トンネルを通過するあたりや、萱草駅と笑内駅間は渓谷美が堪能できる大又川橋梁では鉄橋の上ではスピードダウンして車窓からの紅葉が美しい。また、比立内駅近くの比立内橋梁もおすすめ。さらに7月~9月上旬になるとユニークな「田んぼアート」が数ケ所が登場し、車窓から見えるようつくられ、速度を落として運行する。地方の鉄道としては珍しく、急行や快速の定期列車も設定され、全線を乗ろうとすれば、各駅停車なら約2時間半ほどかかるが、急行列車は韋駄天ぶりを発揮して2時間を切る。しかし、おススメはやはり各駅停車で、ふらっと途中下車をしてみると、のどかさとなつかしさを存分に


味わえる。季節ごとに「ホタル号」や「カタクリ号」などさまざまなイベント列車も運行。起点の鷹巣駅は、JR奥羽本線の主要駅のひとつである鷹巣駅と接続。一方、終点となる角館駅は、秋田新幹線の角館駅と接続。両端ともJRと接続しているのは、秋田内陸線が旧国鉄の「阿仁合線」「角館線」と「鷹角線の未開通区間」を引き継いだ路線だからだ。第三セクターとなってから路線を一本にして、総延長94.2㎞という長大な秋田内陸線を完成させたのである。また、秋田内陸線の経営はかなり苦しく、廃線の噂も多いので、乗るなら今がおすすめだ。


見頃期間:通年

路線区間:鷹巣駅(秋田県)~角館駅(秋田県) 94.2キロ 

駅数:29駅

HP:秋田内陸縦貫鉄道

問い合わせ先:秋田内陸線旅行センター(鷹巣駅内)、0186-60-1111

乗車料金:大人1670円、小人=840円(鷹巣駅~角館駅/平成27年7月現在)

アクセス:秋田新幹線で角館駅へ。一旦、改札を出ることになるが、秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線には平面で接続している。