海を渡った桜

世界中で花見が楽しめる
韓国では開花予想もあるほど

ピンクの桜のイラスト画像

  今では海外へ仕事で赴任する日本人も多く、春先になれば海外でも花見が楽しめれば、と思う人も多いはず。
 わが国では明治43年から、友好親善のしるしとして桜の苗木を各国に寄贈している。なかでも有名なのが当時の東京市長、尾崎行雄が日米親善のためワシントンに贈ったソメイヨシノ。今ではワシントンDCがあるポトマック河畔に美しく咲き誇っている。海外ではいちばんの桜の名所になっており、期間中には桜まつりが行われ、パレードに山車も繰り出すほど。またニューヨークのハドソン河畔のリバーサイドパークにも在留日本会から市に贈られた桜が美しく花を咲かせている。
 また、太平洋戦争中は、韓国の日本軍基地に桜が盛んに植えられた。一時は在日の関係者が祖国へ桜が楽しめるように苗木を定期的に送っていた時期もあるほど。そのこともあり、現在では韓国には、ソメイヨシノの桜の名所が各地に点在し、日本から桜ツアーを行う旅行代理店もあるほど名所が多い。そのため日本の桜が満開の頃にはソウルでも花見がたのしめるほど。韓国の気象庁でも日本と同じように桜の開花予想を発表している。
 ヨーロッパではロンドンのキューガーデンやアムステルダムのチューリップで有名なキューケンホフ公園に植えられている。またベルギーのブリュッセル郊外にも桜並木がある。

 アイルランドではシャノンの工業団地に日本企業を誘致する際には桜の植樹を義務づけ、桜の名所にする計画も過去にはあった。
 さらに「ベルリンに、あなたの桜を咲かせませんか」をキャッチフレーズにテレビ朝日が90年から5か年計画で行っていた桜募金。これはベルリンの壁崩壊後、壁の跡地や旧国境沿いに苗木を植えて見事な桜並木をつくろうという計画。1000本以上が植えられ、近くの小学校などにも贈られている。
 南米では、ブラジルのサンパウロ市内に日系人会が植えた桜などの名所もある。また、サンパウロ市イビラプエラ公園に植えられた桜の苗木が順調に生育している。サンパウロ市・大阪市姉妹都市三十周年記念事業の一環として、2000年9月に公園内日本館と日本移民先没者慰霊碑に隣接する湖畔に100本が植えられた。
 
桜のイラスト

HOME | 海を渡った桜

春便り