冬図鑑「雪合戦

雪合戦.jpg雪が降る地方の子どもたちにとって、学校の休み時間や放課後は雪合戦タイム。だが、雪合戦は、どんな雪でもいいというわけではない。雪玉をつくるには、ある程度の湿り気が必要で、さらさらした雪では雪玉がつくりにくい。ギュッと雪玉をにぎったときの感触は、冷たいけれども楽しかったという思い出をおもちの方もいることだろう。「雪」はともかく「合戦」という言葉は、どうにも穏やかではない。だが、歴史を紐解くと、雪合戦は「まさに合戦」だったのである。戦国時代に、越後守護の一族である上条定憲と越後守護代の長尾為景が戦った際に、刀折れ、矢も尽きた後も戦いを続け、雪を固めて投げ合ったと伝えられている。新潟県魚沼市には「雪合戦発祥の地」の石碑が建てられている。物騒な話はさておき、子どもの遊びとしての「雪合戦」は平安時代からあったようだ。『源氏物語』の浮舟巻に「雪ぶつけ」として登場している。じつは雪合戦には世界大会もあり、国際ルールも存在する。だが、子どもたちにとっては、とにかく楽しめればいいわけで、競技ルールなど関係なしだ。とはいえ、雪玉の芯に石を入れると威力が増すが、これはご法度だ。