冬図鑑「マフラー

マフラ.jpgもともとは、フランスで女性の顔を覆うための布であった「マフラー」。今では冬の定番防寒着で、首周りを優しく暖かく守ってくれる。日本ではマフラーのことを長い間「襟巻き」と呼ばれており明治時代に入り、初めて毛皮の襟巻きマフラーが販売され防寒具として流行し、様々な大きさや色のものが販売されるようになりました。いわさきちひろの児童画に「雪のなかを走る子ども」という作品がある。ちらつく雪のなかを白い帽子、白いコート、白いズボン、そして白いマフラーをまとった子どもが明るい表情で軽やかに走る姿を描いたものだ。左手にはバレーボールのような白いボールを抱えている。そのマフラーが、ひざくらいまでありそうな長さで、子どもが走っていることで、なびいている。「たしかに、子どもって、こんなふうに走るなぁ」と、いわさきちひろの描写力と観察力に感心させられる。マフラーをすると温かいのは当たり前だが、もちろんマフラーそのものがあたたかいためではなく、衣服をまとった身体の温かさを逃さないことと、冷たい外気を遮断する効果があるためだ。マフラー1枚で、衣類1枚分の保温効果があるともいわれている。マフラーはクリスマスプレゼントの定番で、最近のJK事情はわからないが、かつては女子高校生が彼氏のために一生懸命に編んだもの。ただ、なかなか、うまくいかず、結局はお父さんの腹巻に化けてしまったという人がいるかもしれない。