神奈川県の西部、箱根山を登る箱根登山鉄道は、日本有数の山岳鉄道でもあり、急斜面を登るために箱根湯本から強羅まで3回スイッチバックしなが箱根湯本駅から50分ほどかけて終点の強羅駅に到着する。これは、車両が進行方向を転換しながらジグザグに坂を登ってゆく走行方法で、箱根湯本駅で先頭だった車両が強羅駅では一番後ろになっている。列車の車窓からは四季折々の景観は見応えがあるが、人気なのがアジサイが咲く初夏。この時期は「あじさい電車」の名で親しまれ、多くの観光客が訪れる。６月中旬頃から開花の時期を迎えるが、標高の違いが見ごろの時期の変化となってあらわれるため、７月中旬まで車窓からの眺めが楽しめる。晴れた日なら青空との青の競演を楽しんだり、雨の日ならではの情緒あふれる景色と天候にかかわらず楽しめる。さらに、箱根登山鉄道では、あじさいの開花時期にライトアップをおこな

い、特別列車「夜のあじさい号（要予約）」という列車も走る。昼間とひけをとらない鮮やかさに加え、幻想的な風景が車内から楽しめる。さて、あじさいをよく見たいなら座席は、湯本駅から乗るなら右側がおすすめ。出発してすぐに上り坂では車窓から手が届くほどのあじさいの群落が楽しめる。あじさいの時期以外にも、行楽客でにぎわい外国人旅行者にも人気の電車となっている。