春便り 

春の歳時記「

  一般に花と言えばサクラを言いますが、サクラの品種は数百種に及び、大きく二つに分けることができます。山野に自生している野生種と品種の改良をして作った園芸種です。野生種は海外にも広く分布していますが一般に東アジアに多く、何々ザクラと言われるのが野生種です。ソメイヨシノ、フゲンソウといったように名前にサクラが付かないのが園芸種であることが多いようです。サクラの代表的な園芸種がソメイヨシノで、オオシマザクラとエドヒガンザクラの交配によって誕生したものです。開花時期が3月から春のサクラの開花前線となって北上しますが、1月に咲く沖縄のヒカンザクラや5月から6月に北海道で咲くエゾヤマザクラのように野生種は、開花時期が異なります。また野生種は種類によっては9月を除けば、ほぼ1年中どこかで咲いています。 ソメイヨシノは、江戸末期に現在の東京の巣鴨にあった染井村で植木屋、伊藤伊兵衛政武が売り出し、明治になって全国に広がったといわれます。野生種に比べて花付きが多く、葉を開く前に花が木全体をおおいつくすほどに咲くといった特徴があり、他のサクラよりも花付きが格段に多いです。また開花時期が短命なのも多くの人をこのサクラに引きつけた理由でも ありました。