春図鑑「春まつり

「まつり」といえば、夏の盆踊りや、収穫を終えた農村での秋まつりを連想しがちだが、新春を迎えたまつりや、その年の豊作を願うまつりなどの春まつりも各地で行なわれている。たとえば、「奇祭」として知られる群馬県利根郡川場村の「春駒」は家々をまわり、家内安全と養蚕の豊作を祈願する。岩手県北上市では「春田打ち」があり、田打ち、種まき、田掻き、田植え、稲刈り、お田の神が演じられる豊作祈願。それぞれ娯楽の少なかった時代に人々が楽しんだ一大イベントということもできるだろう。また、奈良県橿原市の橿原神宮では、神武天皇崩御の日とされる4月3日をふくめた時期に「春の神武祭」が行なわれる。地域の人々から「神武さん」と呼ばれ、親しまれているまつりだ。奈良市の春日大社では、国家の安泰と国民の繁栄を祈る春日祭が行なわれているのも春、三月である。大分県宇佐市の宇佐神宮でもっとも大切な例祭は、「宇佐祭」と呼ばれる大祭で、やはり三月に行なわれる春のまつりだ。
 
 

 

春便り 

 

 
 
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