秋の風景「トンボ取り 

 

 暮らす土地によって、その時期は異なるだろうが、セミの鳴き声がおさまり、トンボが飛ぶようになると、「秋だなぁ」という感じがしたのではないだろうか。オニヤンマ、ムカシトンボ、シオカラトンボなど、さまざまな種類のあるトンボだが、もっとも秋らしいのは、やはりアキアカネだろう。俗にいう赤トンボで、童謡・唱歌にも歌われている。トンボ取りといえば、子どもの頃、夢中になった人も少なくないはず。網を使ったり、トリモチを使ったりと、いろいろな工夫をしながらトンボをとったことだろう。また、まるで、ヘリコプターのホバリングのように、空中に留まったまま、飛んでいる姿をみて、不思議に思ったこともあるだろう。そんなとき、トンボに向かって、指を回して目を回させて捕まえようとした経験をおもちの方も多いだろうが、じつは、それほどの効果はない。ただ、子ども心に、なんとなく楽しかったことが懐かしい思い出であることには違いないだろう。