秋の風景「芋煮会(いもにかい) 

  芋煮会で食べる「芋」はサトイモで、東北地方では秋の収穫時期にあたる季節に開催し、風物詩になっている。また、南東北、新潟県、北関東でも行われている。花見同様に、人と人との親睦を深める行事のひとつであり、家族や友人といった小規模なものから、学校、職場、さらには地域一体となった大規模なもので、紅葉なども楽しめる河原で行われケースが多い。特にみそ仕立で、豚肉を使う宮城県と醤油仕立てで牛肉を使う山形県では、まさに芋煮会の本家を争うほど。そんな中で毎年テレビのニュースなどでとりあげられ、有名なのが山形市内で行なわれている「日本一の芋煮会フェスティバル」である。平成元年に第1回が開かれて以来、毎年9月に山形市内の馬見ヶ崎川河川敷で開催されている。直径6メートルもの「鍋太郎」という大鍋に、およそ3万食の牛肉を入れた山形風「すき焼き風」芋煮がつくられる。調理する際には、驚くことに大型重機が登場するが、「ほぼ芋煮会専用」の重機だそうだ。芋煮会が開催されたあと、東北地方は、紅葉の時期を迎え、さらには厳しい冬が到来する。秋を満喫するかのようなイベントが芋煮会というわけだ。ちなみに俳句の世界でも「芋といえばサトイモのこと」。