秋の風景「(はぎ) 

 

 秋草の代表的な萩は、秋の七草のひとつ。この萩の漢字は草冠に秋と書き、中国にもない国字で、日本人の豊かな感性が作りあげたもの。万葉集に残された植物の歌でも萩を詠んだものが百首以上あり一番多く、古来から風雅の花として愛されてきた。万葉の人達は花色で衣を染めたり、萩の花見の宴を開いたり、萩の花に恋心を托したりと萩文化を開花させた。また、江戸時代でも庶民の間に広まり、秋になるとは萩の花見が楽しみのひとつでもあった。その風情はいつの時代でも人々を魅了し続けている。